09/02/24 02:47:58 rl4tN6FF
ID:INsmcEDt =糞尿が山田信者である証拠
119 :名無シネマさん:2007/08/09(木) 10:23:17 ID:blP4z+1N
「2001年」がSF映画の金字塔であることは誰もが認めることであるが、それはストーリー、映像、音楽、
演出など、あらゆる面において革新的であったからだ。それは、もちろん舞台デザインに関しても言える。
「2001年」では、従来の子供だましの空想は抜きにして、科学的な検証を考慮しての、
リアルな宇宙ステーションが登場するこの企画はイギリス映画だからこそ実現できたのかもしれない。
この宇宙ステーションのユニークな造形は、歪曲した地面である。ステーション全体を回転して
重力を発生させるというかつてなかった画期的なアイデアである。
まだ1968年は、人類が月面に到達する前の年なのに、開拓精神旺盛なキューブリックは
一歩先を行くアイデアで思う存分に楽しませてくれている。だからこそ、磁石靴や、声紋検査装置や、
テレビ電話などが出てくる場面が面白い。
ディスカバリー号が出てくる最初の場面で、船員が船内でランニングしているシーンも最高だ。
床はぐるりと一周して円形状になっている。またやたらとこの通路の幅が狭い。
前にも後にも様々なSF映画が作られたが、これほど風変わりなセットがあっただろうか?
「2001年」の世界観はずばぬけて独創的だったのだ。
ついでに白と赤の二色にも着目してもらいたい。この映画では最初の猿人の場面から最後まで、
頻繁にこの二色が使われている。その対比を見つけて楽しむのもなかなか乙かもしれない。
また、円形と長方形にもこだわりが感じられる。
この映画が何度見ても飽きないのはこういうところにキューブリックの知的センスが
光っているからである。キューブリックはまさしく偉大だったのだ。
526:名無シネマ@上映中
09/02/24 02:48:49 rl4tN6FF
ID:INsmcEDt =糞尿が山田信者である証拠
120 :名無シネマさん:2007/08/09(木) 10:29:10 ID:blP4z+1N
この映画は僕の思い出の作品である。僕が一番好きな映画といってもいい。本当に一番
というわけではないが、映画芸術の素晴らしさに感動したという点では最も影響を受けた作品である。
僕が一番感動したのは何かというと、それはクラシック音楽が効果的に使われていることである。
僕は前半の宇宙遊泳のシーンが一番好きなのだが、この映像は本当に今見ても溜息がでてしまう。
あまりにも見事すぎるからだ。
使われている曲は、ご存じヨハン・シュトラウス二世の「美しく青きドナウ」。このワルツを宇宙遊泳に
結びつけたセンスたるや、恐るべしキューブリック。
キューブリックは未来社会をゆっくりと優雅にユーモラスに描写していく。
未来社会の生活の様子を描いた作品はいつの時代もユニークなものばかりだが、
「2001年」で描かれている生活感は特別素晴らしい。よく考えると、宇宙遊泳のシーンには
セリフも効果音もない。音楽が流れているだけで、演出はサイレント形式である。サイレント形式で
描いたことで、観客に想像力を膨らませることができたのかもしれない。また、安っぽい効果音も
セリフも排除したことで、このシーンが、永遠に廃れることのない名場面に成り得たのだと思う。
ところで、オープニングとラストでは、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」
も劇的に使われている。この前奏曲は、「2001年のテーマ曲」という異名がついてしまって、
もはやクラシック音楽だったということを知る人は少ない。それほど映像にマッチしていたわけで、
観客たちに強烈な印象をたたき込んだのだと思える。音楽だけでもこれほどまでに影響力のある映画は珍しいだろう。
527:名無シネマ@上映中
09/02/24 02:49:43 rl4tN6FF
ID:INsmcEDt =糞尿が山田信者である証拠
121 :名無シネマさん:2007/08/09(木) 10:31:13 ID:blP4z+1N
というわけではないが、映画芸術の素晴らしさに感動したという点では最も影響を受けた作品である。
本当にいい映画は、時代を超えて愛される。
「2001年」は変わり種で公開当時は賛否両論だったが、時代を経るごとにしだいに評価されていった。
今となってはSF映画としてでなく、映画史上の屈指の名作として名高い。
当時、アカデミー賞の作品賞候補には当然のこと落選。その年の作品賞はキャロル・リードの
「オリバー!」に渡った。ところが「オリバー!」は当時はセンセーションだったにしても、
現在の評価は低い。無視された「2001年」の方が時代の波に流されなかったというのは、面白い話だ。
ただし、「2001年」はアカデミー賞で、特殊視覚効果賞だけは受賞していた。
視覚効果を担当していたのは、何とキューブリック本人である。
キューブリックの映画技法というものは常にパイオニア的であった。
この映画ではフロントプロジェクションという特殊技術に初めて成功している。
背景はあらかじめ用意しておいた映像を映写して、役者はスタジオで演技をしているだけだ。
従来ならスクリーンの裏から背景を映写するはずだが、キューブリックはハーフミラーを使って
前から映写して、全くそうとは気付かせない映像に仕立て上げている。
もう一つ、スリットスキャンという装置も利用している。これは同作で圧巻といえる
「スペースシャワー」のシーンのあの神秘的な光の映像で使われたものだ。長い映像だったが、
とにかく凄かった。
結局キューブリックが獲得したオスカーといえば、この映画で取った視覚効果賞の一本だけに
終わってしまった。むしろこれで良かったのかもしれない。そのせいもあって、
キューブリックは今日のように神格化されたのだから。
528:名無シネマ@上映中
09/02/24 04:56:50 y/WV9xBr
ピンク映画出身の叩き上げ>>>>>>>>権威主義者の芸能人監督