09/02/14 14:54:18 dr2xYvdZ
「キッズ・リターン」について考察してみましょう
この作品は北野映画の中では比較的一般受けしそうだということで2ちゃんでも
人気がありますが、私はまず「時代設定」の部分で混乱させられました
別スレで「1996年の不良がポルノ映画観に行くなんてオカシイ」と書いたところ
「たけ坊が昭和の話だと言ってる」とのレスが返って来ましたが、昭和の不良なら
リーゼントパーマを茶色に染め、長ランにドカンに先の尖った革靴を身に付けてなければ
いけないでしょうし、女に関しては自分の通ってる高校か他校のツッパリ少女を何人も
知っていて、ヤリまくりで不自由してないはずです。また、先生の人形を作って屋上から
吊るして遊ぶシーンがありますが、不良なら屋上でタバコかトルエン吸ってるでしょう
つまり、たけちゃんが高校時代にやってた事を映画にしたファンタジーなのですね
また、超大根のド素人、金子賢を矯正出来ずに撮影を続け編集で金子のシーンは
使い物にならないので大幅にカットしたというエピソードは、たけちゃんがやはり
プロの映画監督というより天才が片手間で映画を撮っているのを私達が喜んで観ている
という構図が見えてしまいます。「HANA-BI」以降それがファンにも解ってしまい
完全なカルト映画作家になってしまいました。それはそれで何の文句も付ける筋合いは
ありません。たけちゃんがそれまでの規正の日本映画にガツンと一発食らわせた「パンク」
であることは間違いないのですから