08/10/04 01:46:14 gWLW05yC
独善的な画家志望の男がいて、周囲でバタバタ人が死んで行くという設定は面白い。
特に幼少期、青年期とそれなりにシリアスに展開して、中年期でコントの世界に入る所はすごくいい。
でも結局「夫婦愛」みたいな枠組みで着地しちゃったのが残念。
作品の為に二人で娘を殺してしまい、それを利用した展覧会を開いて終わるようにしたら傑作だった。
今年は黒沢、北野、宮崎、押井という、日本を代表する4人の監督が作品を発表した。
全部見たけど、
トウキョウソナタ>ポニョ>アキレス=スカイクロラといった感じだ。
黒沢作品には両義的な所があって、主題の前で常に映画に留まるというスタンスが持味であると同時に弱点だと思う。
世界が全て嘘であるようなよそよそしさに満ちた演出はそれがオブラートとなって主題を疎外する。
黒沢清は世界は撮れるけど主題は撮れない人だと思う。
北野は本来カメラによって主題を排泄するようなエネルギーを持っているはず。
しかしそれはソナチネで終わってしまったのかもしれない。