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吉田秋生の同名マンガを、1990年に中島ひろ子主演で映画化した「櫻の園」は、日本アカデミー賞優秀賞をはじめ21もの映画賞を受賞した名作。
劇中に特に大きなドラマがあるわけではないが、女子校の演劇部を舞台に、チェーホフの戯曲「櫻の園」上演に取り組む高校生の青春、葛藤、
表情を見事に切り取った中原監督の手腕は、各方面から高い評価を受けた。
そんな中原監督が再びメガホンを執り、「櫻の園」の後日譚を描いたのが福田沙紀主演の「櫻の園 ーさくらのそのー」。同作のエグゼクティブ・
プロデューサーを務めたオスカーの石川薫専務が「最低でも興行収入15億円」と豪語するほど、製作に携わったオスカープロモーションの
大きな期待を背負っていた作品だ。
ところが、11月8日の公開直後から観客動員は大不振。テレビCMやYahoo!JAPANでのプロモーションを展開するなど、宣伝に力が入っていた
にも関わらず、なかなか客足は伸びない。結局11月30日までの23日間で、延べ観客動員数は30,431人、興行収入は3,775万6,900円
(文化通信より)と、まさに「惨敗」という結果となってしまった。この数字は単館上映作品ではなく、メジャー作品並みの150館規模で
公開された映画としては異例の低さ。単純に興行収入を上映館数で割ると、1館当たりの興行収入は約25万円と、目を覆いたくなる数字だ。
興行収入の低さと連動するように、ネットでは作品への批判が目立つ。例えばYahoo!ムービーのレビューでは、1990年版の「櫻の園」が
5点満点中4.24点と高得点なのに対し、2008年版は「櫻の園 ーさくらのそのー」は同2.94点とかなり低い。2008年版のレビューの中には
「得点ほど悪くない」「演技自体は悪くない子もいた」等の前向きな評価もあるものの、「なぜセット売りみたいな子しか出演してないのか」
「間違い無くオスカープロモーションの若手タレントのPR映画だと思います」と、製作に携わったオスカープロモーションのタレントを
中心に構成されたキャスト陣に批判が集中している。