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■破壊岩石-流体間の反応機構に関する実験的研究
URLリンク(kaken.nii.ac.jp)
活断層周辺に水素ガスが異常濃集していることが報告されて以来、断層運動や地震活動と水素挙動の関連性について多くの観測研究がなされている。この
ような水素は、岩石破壊によって生じる新鮮表面と水の化学反応により生成されると考えられており、そのため震源の情報をもたらす貴重な化学成分として
注目されている。
そこで本研究では、ボールミルを使用した岩石の湿式粉砕実験を行い、水素生成反応の定量化、具体的には様々な岩石鉱物試料の水素発生能力の見積もり
を試みた。花崗岩帯に発達する断層を想定し、石英、カリ長石、黒雲母、白雲母および大島花崗岩を実験試料として湿式粉砕を行い、水素の定量を行うと共に
、粉砕後の試料を回収しBET表面積を測定した。
この結果、いずれの試料も表面積の増加と共に、直線的に水素が発生することが分かった。この直線の傾きから個々の試料の水素発生能力(単位表面積当たり
の水素生成量)を見積もることができた。それぞれの試料の持つ水素発生能力を比較すると、石英やカリ長石に比べ、黒雲母や白雲母等の層状珪酸塩鉱物では
一桁程度大きな水素発生能力を持つことが分かった。ここで石英の水素発生能力を見ると、真空中のESR強度から得られるSi・密度と調和的であることが分か
った。