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「専業主婦に憧れる女性」がドイツにいない理由
1977年まで「働く自由」がなかった既婚女性たち
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サンドラ・エフェリン (著述業)
昔ながらのドイツの家庭では家計の管理は男性である夫がしていました。夫の収入が高くても、夫が「専業主婦である妻に微々たるお金しか渡さない」ケースも多かったのです。そのため「家自体は裕福」なのに、服もロクに買えず自分の好きなものにお金を使えない専業主婦が昔のドイツにはたくさんいました
しかも、既婚女性が仕事をする場合、ドイツの法律では1977年までは「夫の同意」が必要でした。既婚女性が働く場合は職場に「妻が働くことに同意します」と書かれた夫からの同意書(証明書)を提出しなければなりませんでした
(このため欧米では主婦によるウーマン・リブ運動が起きた)
日本では、大学で専攻した学部とは別分野の仕事に就くこともあります(メンバーシップ型雇用)が、ドイツでは「専門学校や大学で学んだ分野の仕事に就く」(ジョブ型雇用)のが理想だとされています
今では、欧州で専業主婦になる場合、語学に堪能でなかったり持病があるなどの「理由」がないと、周囲の人から「なぜ働かないの?」と聞かれてしまいます
日本でドイツ人男性と結婚したある日本人女性は、夫の都合でドイツに引っ越しましたが、住んでまだ間もないのに、現地で会うドイツ人に「あなたはなぜ働かないの?」と頻繁に聞かれ精神的につらかったと言います。ドイツへの引っ越しの理由は前述通り「夫の仕事の都合」によるものでしたが、そのことを説明しても「あなたも早くドイツ語を覚えて働けばいいのに」と言われたそうです
「女性の生き方」について考えるとき、日本ではよく「欧米のほうが自由に生きられる」と思われがちです
確かに役職がついているポジションであっても時短で働くことが可能であるなど、「働く女性」は日本よりも自由です
しかし「専業主婦という選択肢」は欧州ではないに等しい(失業者の扱い)ので、意外にも日本で言う「女性の多様な生き方」は認められていないのです
裕福な家庭だと画廊経営や社会貢献活動などをしていることも多い
(追記)
フランス・ドイツ・スウェーデン等の年金制度は所得比例方式で、専業主婦は任意加入し保険料を払わない限り年金を貰えません