25/01/11 19:03:33.86 q3qkvZke0.net
暑さの中迎えた箱根駅伝予選会
東海は敗退、上級生も勢いを見せず惨敗だった
立川に響くファンのため息、どこからか聞こえる「来年も予選敗退だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、監督両角は独り車内で泣いていた。
黄金世代で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる選手達・・・
それを今の東海で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」両角は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、両角ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、肌寒い初秋の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングを考えなくちゃな」両角は苦笑しながら呟いた
車内で伸びをした時、両角はふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
車内から飛び出した両角が目にしたのは、日本橋まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように東海の応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする両角の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「監督、もうすぐ郡司が来ますよ、早く行きましょう!」声の方に振り返った両角は目を疑った
「お・・・鬼塚?」
「監督、居眠りでもしてたんですか?」
「た・・・館澤?」
「いきましょう監督!」
「小松・・・」 両角は半分パニックになりながらスマホを見た
1区:鬼塚 2区:湯澤 3区:西川 4区:館澤 5区:西田 6区:中島 7区:阪口 8区:小松 9区:湊谷 10区:郡司
暫時、唖然としていた両角だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
優勝のゴールテープを切り喜ぶ選手達を見守る両角、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、車内で冷たくなっている両角が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った