15/09/22 18:50:46.04 0.net
>>647
出崎統は典型的な雑食監督。
原作クラッシャーと言われた由縁とこれは同根。
加えて、名匠の割に世間的な評価はそこまででもなくって、後半生でも嫌な仕事も引き受けねばならない事情が同時になったはず。
ルパンを監督したのも乗り気じゃなかったらしいし。
押井守は当時ガッチャマンの各話演出とかニルスを監督したくらいでほぼペーペーの新人。
加えて、『うる星』の原作漫画は当時力を持ちはじめたラブコメをけん引するエポック作のひとつで、
これはアニメ界においても「新しい」「未開拓」の分野だった。
押井守が手を付けるメリットは十分にあるし、実際にあったから名が売れた。
一方で、当時すでに手垢がついて寿命も尽きかけていたルパンの話が押井守にきたのは、
宮崎駿がルパンに引導を渡す役割を後輩の押井に託したからだ。
だいたい当時旬の『うる星』で既に名を売った押井守には、(当時旬の『うる星』と違って)今更なルパンを普通に監督してもメリットなんかない。
押井守は宮崎駿の指令を受け、そういうことならと乗り気で「ルパンはいなかった」という根底からちゃぶ台ひっくり返す企画を作ったが、
ルパンをまだまだ現役のアンチヒーローとして生かしたかった製作側がそれを許さなかった。
ルパンのゾンビ化路線はヒットマン押井が降ろされた時点で決定したといえる。