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戦火の母国から京都市に身を寄せたウクライナ人の女性が、日本人の男性とカップルになった。ロシア軍の攻撃はやまず、不安にさいなまれる日々は続くが、恋人の存在が心の支えになっている。避難生活が長期化する中、「これが私の運命」と巡り合えた大切な人と前へと歩んでいる。
ウクライナ西部リビウ出身のディアナ・ソルティスさん(21)はロシア侵攻後の2022年5月、家族を故郷に残し、京都市に避難した。母国の大学で日本語を専攻していたが言葉に不安があり、アルバイトをしながら市内の語学学校に通った。居住する部屋の壁一面に日本語のメモをはって語学力を磨くなど、初めて暮らす異国の地に溶け込もうとしてきた。
張り詰めた日常に安らぎが訪れたのは昨年1月。市国際交流会館(左京区)で開かれた英会話のイベントで、大阪市の会社員中溝瑛一朗さん(30)に出会った。「一目ぼれだった」という中溝さんのアプローチが実り、交際がスタート。2人は週に3日ほど会い、英語と日本語を教え合うなど心を通わせてきた。
ソルティスさんが「私を支えてくれる」と感じた出来事がある。ドライブデートのさなか、ニュースで両親と弟が残るリビウの自宅近くにミサイルが着弾したと知った。家族に電話がつながったのは約4時間後。無事が分かるまで号泣していたソルティスさんのそばで中溝さんは寄り添った。
昨年末には2人でリビウを訪れた。ソルティスさんの両親に会い、集まった親族に歓待された。中溝さんは美しい街並み、親切な人々に感銘を受けたが、鳴り響く空襲アラートに戦禍の現実を見た。「厳しい時代を生き抜く人々の強さを感じた」と話す。
つらく悲しい戦争だが、ソルティスさんが日本に来なければ、中溝さんと出会うことはなかった。「起きた事は取り戻せない。これが私の運命」。今春に語学学校を卒業し、当面は日本で仕事をするつもりだ。帰国のめどは立たず、人生の展望を描く途上だが、そばには悩みや不安を受け止めてくれる恋人がいる。
「彼を信頼しています」とソルティスさんは笑う。中溝さんは「努力家の彼女を尊敬している。2人の将来をゆっくり考えていきたい」と前を見据えた。
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2人が出会った京都市国際交流会館で談笑するソルティスさん(右)と中溝さん=京都市左京区
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