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東京五輪・パラリンピックの会場運営業務を巡る談合事件で、東京地検特捜部が広告最大手「電通グループ」（旧電通）の五十嵐博社長を任意で事情聴取したことが２５日、関係者への取材で分かった。特捜部は元スポーツ局長補の逸見晃治容疑者（５５）を独禁法違反（不当な取引制限）容疑で逮捕しており、法人も処罰対象とする同法の両罰規定に基づいて聴取を要請。五十嵐社長は刑事責任を認めたもようだ。＜下へ続く＞
逸見容疑者は大会組織委員会元次長、森泰夫容疑者（５６）らと共謀し、２０１８年２～７月、テスト大会計画立案業務や本大会などの会場運営業務について、計７社との間で受注予定企業を決め、計画立案業務の入札を「１社応札」とすることなどに合意し談合したとして、今月８日に逮捕された。特捜部は勾留期限の２８日、このうち６社と逸見、森両容疑者らについて、公正取引委員会の刑事告発を受けて独禁法違反罪で起訴する見通し。
関係者によると、談合への関与の疑いが持たれているのは、電通グループ、博報堂、ＡＤＫマーケティング・ソリューションズ、東急エージェンシーの広告大手４社と、セレスポ、フジクリエイティブコーポレーション、セイムトゥーのイベント大手３社。このうち、ＡＤＫは公取委の調査開始前、課徴金減免制度に基づいて違反を自主申告したため告発を免れるとみられる。
逸見容疑者は、組織委に出向していた元部下や森容疑者らと共に競技会場ごとに受注予定各社の割り振り表を作成するなど受注調整を主導したとされ、特捜部の調べに容疑を認めているという。五十嵐社長も自社が談合に関わったことを認めたもようだ。
旧電通は２０年１月の持ち株会社化に伴い、電通グループに商号変更し、新たに設立した中核子会社「電通」に国内事業を移管した。五十嵐氏は営業局長などを歴任し、２２年１月に電通グループ社長に就任した。