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ベネチア金獅子賞は写真家の薬害抗議活動追うドキュメンタリー 『LOVE LIFE』受賞ならず:第79回ベネチア国際映画祭
金獅子賞を手にしたローラ・ポイトラス監督 - Andreas Rentz / Getty Images
現地時間10日、第79回ベネチア国際映画祭コンペティション部門の授賞式がイタリアで行われ、最高賞にあたる金獅子賞を、ローラ・ポイトラス監督の『オール・ザ・ビューティー・アンド・ザ・ブラッドシェッド(原題) / All the Beauty and the Bloodshed』が受賞した。日本から出品されていた深田晃司監督作品『LOVE LIFE』の受賞はならなかった。
『オール・ザ・ビューティー・アンド・ザ・ブラッドシェッド(原題)』は、『シチズンフォー スノーデンの暴露』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したポイトラス監督が、写真家のナン・ゴールディンに密着した作品。アメリカで深刻な健康問題を引き起こしている鎮痛剤「オピオイド」。自身もオピオイド依存に苦しんだゴールディンが、この薬を販売するパーデュー・ファーマ社のオーナーである富豪サックラー家を相手に抗議活動を展開する姿を追う。
銀獅子賞(審査員大賞)は、フランスで実際に起きた事件をベースにした『サントメール(原題) / Saint Omer』が受賞。同作を手掛けたアリス・ディオップ監督は、最優秀新人監督賞にあたるルイジ・デ・ラウレンティス賞も受賞した。また、最優秀女優賞を『タール(原題) / Tar』のケイト・ブランシェット、最優秀男優賞を『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレルが受賞している。
日本映画では、クラシック部門において、鈴木清順監督の『殺しの烙印』4Kデジタル復元版が最優秀復元映画賞を受賞する快挙。オリゾンティ部門に出品されていた妻夫木聡主演の石川慶監督作『ある男』は受賞を逃した。(編集部・入倉功一)
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