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習近平氏(2017年)=小高顕撮影
【北京=多部田俊輔】中国政府は8日、民間企業が報道事業を手がけることを禁止する案を公表した。民間企業が新聞やテレビ、ネットニュースを運営する組織に出資して経営することを認めず、実況中継なども許さない。ネット世論の統制を強化することで、共産党や政府への不満や批判を封じ込める狙いがあるとの見方も出ている。
中国の国家発展改革委員会が公表した2021年版の市場参入を制限する分野を定めた「ネガティブリスト」の案で、民間企業が報道などを手がけることを認めない内容を盛り込んだ。14日まで意見を募集し、リストを最終決定する。
公表された案によると、民間企業に新聞、通信社、出版、テレビ、ネットニュースなどでの取材・編集を認めない。政治、経済、軍事、外交、重要な社会問題、文化、科学技術、衛生、教育、スポーツなどのほか、世論を導く実況中継を手がけることも許さない。
海外メディアのニュースの引用やニュース、世論に関わるフォーラムなどを開催してはいけないことも盛り込んだ。中国では共産党系メディアが新聞やテレビなどを手がけるが、ネット企業がハイテクや文化などの情報を伝え、実況中継などをしている事例がある。
外国の新聞社やテレビ局などは中国で取材活動を認められているが、メディア事業を手がけることは許されていない。中国では幅広い情報を扱う「微博(ウェイボ)」や経済問題を扱う「財新」などが人気を集めており、事業活動に影響があるかに注目が集まる。
習近平(シー・ジンピン)指導部は社会や思想への統制を強めている。ネット企業などの経営者に圧力をかけ、若者の考え方に影響力を持つ芸能分野などにも介入して共産党や政府への批判を抑え込む。
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