21/09/12 07:54:34.09 8oGKbNsa0.net
>>1の続き
大会関係者の休憩室では、スポンサー企業のペットボトル飲料を冷蔵庫から取り出して自由に飲めるようになっていた。一口だけ飲んで捨てられるペットボトルが大量にあり、それを袋から見つけるたびに集積場前の排水溝に中身を流して捨てた。「冷蔵庫から一度取り出すとゴミとなる。未開封のペットボトルも多く、流す時はやりきれない気持ちになりました」。女性は表情を曇らせて言う。
バイトに対する会社や大会組織委員会の姿勢は冷たく感じられた。女性の勤務は主に1日8時間で、休憩は1時間しかない。ゴミを集めたり、手すりなどをアルコール消毒したり、トイレ掃除をしたりして、ずっと動き回っていた。
「少しでも座ると組織委から会社にクレームが入る。このままでは膝が持たないと思って真っ暗なトイレの便座に1分だけ座って休んだこともありました」。会社と組織委の連携不足から不快な思いをすることもあったという。会社の指示で試合中に観客席のゴミを回収していると、組織委から会社を通じて「どさくさにまぎれて観戦するな」などと注意を受けた。
「大金を稼ごうとか隠れて何かをしようとかいうつもりもなく、まじめに働いているのに、そういう見方をされているのかと憤りを感じました」と女性はやりきれない表情を浮かべる。
「オリンピックファミリーラウンジ」と表示された休憩室には立派なソファが三つ置かれていた。一日の競技が終わり選手たちが帰った後、エアコンが切れた会場の休憩室やトイレの掃除に取りかかるが、その部屋については、会社から「特にきれいに掃除するように」と指示されたという。
「五輪貴族が頂点にいる階級の底辺に私たちがいるんだという思いがしました」と振り返る女性。同じバイト仲間が「体調が悪くて行けません」と会社に伝えると、「自分の体調管理ができない人はやめてもらう」と告げられ、事実上解雇され、残りのシフトに入ることができなかった。
時給は1500円。研修も含め21日間働いて女性が手にするのは18万円ほどだ。「これまではテレビでオリンピックに熱狂して美しい部分しか見てこなかったけど、夢が壊される思いがしました。今まで15くらいのバイトをしてきましたが、一番のブラックバイトでした」