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東京地検に公職選挙法違反(買収)の罪で起訴された後、保釈が認められなかった前法相で衆院議員の河井克行被告と妻で参院議員の河井案里被告。2人は拘置所で8月に予定される百日裁判を待つばかりだ。
一方、2人が昨年7月の参院選で2900万円ものカネを地元の市長など広島政界にバラまいた“原資”とみられた自民党からの1億5千万円の選挙資金の捜査は案の定、頓挫した。
「案里被告の選挙を自民党本部から手伝った人物からは事情を聴いた。1億5千万円については必要なら裁判で明らかにする」(捜査関係者)
自民党本部への捜索もないまま、捜査は終結した。元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士はこう語る。
「河井被告夫妻が選挙で当選するためにカネをバラまいた、という認識が自民党本部にあったと立証できれば、公職選挙法の交付罪に問えたはず」
なぜ、東京地検特捜部は自民党本部の捜査に踏み込まなかったのか。そのカギは検察人事にあるという。
河井事件の捜査を進めた稲田伸夫前総長が7月17日に退任し、林真琴・東京高検検事長が新しく検事総長に就いた。