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カント(1724 - 1804)
『純粋理性批判』
●証明A
①世界に出発点がないとする。するとこれまでに無限の時間が存在している。
②すると、現在まで無限の時間が過ぎ去っていることになる。
③しかし、定義上、無限の時間が過ぎ去るということは、ありえない。
④だから世界の出発点が存在するはず。
●証明B
①逆に、世界は出発点があると仮定する。すると「出発点を生じた」という結果をもたらす「原因」が
それより以前に生じていなければならない(因果律)。
②その「原因」も何らかの原因によりもたらされた「結果」であり、それよりも更に以前の時間に原因を求めなければならない。
③したがって、世界そのものは絶対的始まりをもたないと考える以外にない。
④だから過ぎ去った時間は無限である。
ABどちらの証明も成立し、互いに矛盾する。
つまり人間の理性では知ることのできない命題である。