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旧東独で台頭する右派政党「ドイツのための選択肢」（ＡｆＤ）
◆GLOBAL EYE 旧東ドイツを覆う“下級意識”極右台頭の原因は経済失政[週刊 東洋経済 2019/09/28号]
東側の「1人当たり所得」は、1991～96年に西側水準の42％から67％に上昇したが、その後は20年間かかっても74％がやっと。
統一を実現したコール元首相が約束したバラ色の未来は、実現していない。
その際たる原因は政策にある。
1990年10月の再統一にあたり、旧西ドイツ政府は東側との通商を「即時自由化」すると決定。
『東側通貨は、多額の貯蓄や負債などを除き、西側の「ドイツマルクと等価交換」された』。
『生産性が西側の1/10なのに、賃金は西側水準まで急上昇。東側の製造業は死に体となった』。
1990年に旧東ドイツ政府は、製造業救済を狙い、「東ドイツ信託庁」を設立。
東側・国営企業の資産を、雇用維持を条件に『1マルクで西側に売却』。西側企業を誘致しようと巨額の補助金を用意。
『しかし補助金が切れると、西側企業の進出意欲はなえ、東側の経済成長にブレーキ』。
『東側の住民は、信託庁を目の敵にした。東側の大切な資産を二束三文で売り飛ばしていると考えたから』。
これが引き金になり、同庁の初代長官は1991年に暗殺された。