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野呂栄太郎による『日本資本主義発達史』(1930年)は、維新が不徹底な
ブルジョア革命に終わった理由として、急速な産業革命のため政府の保護政策が
必要とされたことや、「世界資本主義の自由主義より帝国主義への転向」と国内
無産階級の台頭に対応するため、地主と商工資本家の間で妥協が成立したこと
をあげている。いずれせよ、結果的に農業における封建的生産様式が十分に
揚棄されなかったことで、農民は「資本主義と半封建的土地制度との二重の
搾取の下に」おかれ、窮乏化した。これに伴い、国内市場は狭隘なものにとどまり、
日本資本主義は異常に初期段階から対外侵略性を持つことになったという。
山田盛太郎による『日本資本主義分析』(1934年)も同様に、
「日本における比類なき高さの半隷農的小作料とインド以下的な低い
半隷奴的労働賃金」との相互規定関係が、日本資本主義の発展の絶対条件であった
と論じた。