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忘れられた南洋の民間輸送船 7千隻が海に沈んだ悲劇
太平洋戦争の激戦地だったソロモン諸島のガダルカナル島。
1942年、旧日本軍の命令で派遣された多くの民間輸送船が米軍の攻撃に遭って沈没し、いまも沖合の青い海に眠っている。
それから77年。日本の民間チームが初めて本格調査に着手し、海底に横たわる5隻をソナーで確認した。
メンバーを動かすのは、戦後忘れられてきた輸送船の存在を「せめて記録に残したい」との思いだ。
5月末、ソロモン諸島の首都ホニアラの小さな波止場から、10人乗りの小型船が白いしぶきを上げて出港した。
乗り込んだのは、水中探査などを手がける「アーク・ジオ・サポート」(AGS、東京都渋谷区)の池田克彦社長(73)ら日本人5人。ガダルカナル島沿岸に沈む日本の輸送船7隻を探索するためだ。
同島の周辺には、少なくとも13隻の日本の輸送船が沈んでいるとされる。太平洋戦争では、同島は制空権と制海権を左右する戦略上の重要拠点だった。
日本軍は42年、米国と豪州を結ぶ輸送ルートを遮断するため、同島に飛行場を建設したが、ほぼ完成した日に米軍に奪われた。飛行場を奪還するため同年8月から半年、死闘を繰り広げた。
兵力や食料、弾薬の補給が必要になり、上陸部隊への増援や物資補給のための輸送船団が編成された。国家総動員法の下、不足している船を補うため、民間の輸送船が徴用された。
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海岸線に寄り添うように沈む輸送船「鬼怒川丸」の船体
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