19/05/23 16:22:46.36 ENp5bkUpa.net BE:963243619-PLT(15000)
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―公文書に関心を持ったきっかけは
直接的なきっかけは、米国に国立公文書館(NARA)という大変立派なものがあるのを知ったことです。
1980年代半ば、国会議員になる前、父(赳夫元首相)の秘書をしていた時だ。
地元である群馬県の前橋市の学校が、終戦直後の航空写真が欲しいということで探していたが、なかなか見つからなかった。
知り合いの新聞記者に頼んでNARAで調べてもらったら、「あるよ」と。
それで米国に行ったときにNARAに寄って検索用カードで「MAEBASHI」を調べたら、数十枚の写真がすぐ出てきた。
ワシントンDCに、日本の地方都市の、しかも戦争で焼かれた写真があるということにびっくりした。
しかも、よく整理されていて誰もがアクセスできる。「あぁなるほど、さすがだな」と感心した。
正しい情報を入手することができるのは、民主主義の原点。入手できないと、国民は正しい判断ができない。
結果、悪い判断によって悪い政治家が誕生してしまうことがある。
日本では、NARAのように集中的に記録が保存されているところはどこになるかと考えたときに、あるにはあったけれど、とても小さくて大したことがなかった。
それが、関心を持った一番最初だ。
法律も、制定されてから100年後にその趣旨や本質を確認するには、立法過程が残されていることが大事。
憲法だって、「アメリカ人が作った憲法だ」「日本人が提案していたんだ」などいろんな話がある。
もっと立法過程が明らかになっていれば、そんなつまらない議論をしなくても済む。
国をあげての論争にならなくて済む。
―真実を示す資料が知られていないから、議論が起こるということか
そういうこと。声のでかいのに、だまされちゃうということだ。
重要でないと思っていても100年後は重要になっているかもしれないから、その時々の個人的な判断はしちゃいけない。
できるだけ多くのものを記録として残し、国民の求めに応じて容易に提示できるようにすべきだ。
―東日本大震災の後、政府の原子力災害対策本部をはじめとする組織の会議の多くで議事録が作られていなかった
管理法は11年4月1日施行。震災は3月に起こったが、あと3週間で施行されるんだから、法律の趣旨にのっとってやっていないといけない。
それなのにいい加減にやっていた。自分たちの混乱ぶりを記録として残したくないということでしょう。
でも混乱があったのであれば、むしろその混乱ぶりを知ってもらったほうがいい。将来の参考になる。
―記録をきちんと残すことは、外国との関係で何を意味するか
日本は事実を積み重ねてきた国ということになれば、日本を信用しないといけなくなる。
逆に都合の悪いものは隠しているんじゃないかと思われたらおしまいだ。
日本は戦争が終わったときに軍部に都合の悪い資料は燃やしてしまったことがあるから、信用されていないところがあるんだろうと思う。
名誉挽回するためには相当の年月、積み重ねが必要だ。
でも、いま取り組んでいるようなやり方を続けていけば国際的な評価は、「日本は信用できる」と変わってくると思う。
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