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43歳でスキルゼロ"中年フリーター"の焦り
この国では35~54歳の「中年フリーター」が増えつづけている。
なぜ彼らは「非正規」から抜け出せないのか。
地方の工場や小売店などで住み込みをしながら働いてきた松本拓也さん(43歳)の取材から、「見えざる貧困」のリアルに迫る―。
リストラからはじまった地獄の日々
「雇用が不安定なまま、40代になりたくなかった。このままでは、結婚はおろか老後だっておぼつかない」
松本拓也さん(43歳)の気持ちは焦る。仕事があれば、地域を選り好みすることもなく、
地方の工場や小売店などで住み込みをしながら働いた。
いつかは結婚して家庭を作りたいと願っていたが、一定の収入がなければ「婚活ブーム」に乗ることもできない。
拓也さんは、飲食関係の専門学校を卒業したが、不況で就職先が見つからなかったため、レストランなどでアルバイトとして働いた。
いったんは関西地方で酒の量販店の正社員になったが、すぐに会社の業績が悪化し社員はリストラされた。
翌年、拓也さんもリストラの波に飲み込まれた。ここから、拓也さんにとって雇用の負のスパイラルが始まった。
「即日解雇」を言い渡され、会社が借り上げていたアパートの立ち退きまで強要された。仕事と同時に住居を失ったのだ。
貯金もなく、引っ越し費用や敷金・礼金を友人から借金した。生活費もままならず、クレジットカードのキャッシングに手をつけ、
消費者金融からも借り入れ、借金は最終的に300万円に膨らんだ。
拓也さんは仕事と住居を同時に失う恐怖を、嫌というほど味わった。
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