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首相官邸の質問制限に抗議する
URLリンク(www.shinbunroren.or.jp)
2019年2月5日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 南 彰
首相官邸が昨年12月28日、東京新聞の特定記者の質問行為について、
「事実誤認」「度重なる問題行為」と断定し、「官房長官記者会見の意義が損なわれることを懸念」、
「このような問題意識の共有をお願い申し上げる」と官邸報道室長名で
内閣記者会に申し入れたことが明らかになりました。
記者会見において様々な角度から質問をぶつけ、為政者の見解を問いただすことは、
記者としての責務であり、こうした営みを通じて、国民の「知る権利」は保障されています。
政府との間に圧倒的な情報量の差があるなか、国民を代表する記者が事実関係を
一つも間違えることなく質問することは不可能で、本来は官房長官が間違いを正し、
理解を求めていくべきです。
官邸の意に沿わない記者を排除するような今回の申し入れは、明らかに記者の
質問の権利を制限し、国民の「知る権利」を狭めるもので、決して容認することは
できません。
厳重に抗議します。
官房長官の記者会見を巡っては、質問中に司会役の報道室長が
「簡潔にお願いします」などと数秒おきに質疑を妨げている問題もあります。
このことについて、報道機関側が再三、改善を求めているにもかかわらず、
一向に改まりません。
なにより、「正確な事実を踏まえた質問」を要求する官邸側の答弁の正確性や
説明姿勢こそが問われています。
2017年5月17日の記者会見で、「総理のご意向」などと書かれた文部科学省の
文書が報じられた際に、菅義偉官房長官は「怪文書のようなものだ」と真っ向から否定。
文書の存在を認めるまで1カ月かかりました。
こうした官邸側の対応こそが、「内外の幅広い層に誤った事実認識を拡散させる」行為であり、
日本政府の国際的信用を失墜させるものです。
官邸が申し入れを行った18年12月26日の記者会見でも、菅官房長官は
「そんなことありません」「いま答えた通りです」とまともに答えていません。
日本の中枢である首相官邸の、事実をねじ曲げ、記者を選別する記者会見の対応が、
悪しき前例として日本各地に広まることも危惧しています。
首相官邸にはただちに不公正な記者会見のあり方を改めるよう、強く求めます。