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◆海外経験豊富な元商社マンが豹変
「私の父は商社勤務だったので、海外勤務も経験していました。だからこそ、外国人を差別するような発言をしたことがショックでたまらなかった」
会社員のBさんは、70歳になる元商社マンの父親がネトウヨになってしまったことがショックでならないと話す。
「実家に遊びにいったときに、娘が保育園で仲のいい韓国の子の話をしたんですよ。そしたら『待機児童がいるのに、韓国人は入れるのか?
あいつらは特権があるから優先的に入れるんだ。このままいくと日本は在日に乗っ取られるぞ』って言いだしたんです」
驚いたBさんが「そんなのは嘘だ」と言うと、父親はスマホを出して「在日特権」という言葉を検索して見せたという。これにBさんの妻は大きなショックを受け、
「しばらく義父さんには会いたくない」と言いだす始末。父親がネトウヨになったきっかけも、Aさんの父親同様、本の影響だったとBさんは推測する。
「過激なタイトルのヘイト本を地元の本屋で買うのは抵抗があるみたいなんですが、スマホだと誰にも見られないじゃないですか。中学生がこそこそエロ本を買うのと同じですよ。
娘がオヤジのスマホでYouTubeを見ようとしたら、ネトウヨ動画がズラっと出てきて、頭がクラクラしました」
孫とビデオ通話したい一心でスマホを持つようになったBさんの父親。Bさんは持たせなきゃよかったと、後悔しているという。記者はそんなBさんの父親に話を聞くことができた。まず、在日外国人の何がいけないのかを聞いた。
「私は中国や東南アジアの紡績工場を担当していたけど、すぐにサボるし手を抜く。そういう連中が日本にたくさん来るということは、日本人の勤勉さを削いで日本をダメにするじゃないか。
あいつらは働かないけどカネを欲しがるから、悪いこともする。だから私は移民なんかには反対なんだ」
だが、差別するような言動はよくないのでは……と記者が言うと、Bさんの父親はさらにまくし立てるように話し始めた。
「これまでは配慮して、本当のことをあなた方マスコミは伝えてこなかったじゃないか。でも今はインターネットで言えなかったことをハッキリ言えるようになったでしょう。間違ったことに間違ってると言うのが差別か!」
老いてなお盛ん……。加速する高齢化社会において、ネトウヨ化する高齢者たちの暴走も加速しそうである。