18/08/04 01:09:48.67 8EUgzLACd.net
数字だけではない。
入学した時、初めて教職員と顔をあわせるオリエンテーションの日、ずらりと前に並んだ教職員を見てわたしは驚いた。
助手から教授まで、総勢23人の教職員は、すべて男性だった。一人も女性がいなかった。
素直に、ああ、女性が彫刻家としてやっていくのは大変なことなんだ、と思った。そして、これからこういう世界で戦って生きていくんだな、と静かに覚悟を決めた。
それでもわたしは先輩や先生たちを尊敬していたし、彼らも基本的には男も女も同等に扱ってくれていたようにわたしは思う。
ただ、高校生のころに聞いた「将来作家を続けていくのは男の人の方が多いから、男をとりたいんだって。」という話を、わたしは忘れることはできなかった。
ある時、飲み会で尊敬していた人の口からこんな言葉がでた。
「女の子は結婚したら作家やめちゃうからね~」
わたしはその発言を否定することも責めることもできなかった。
女は結婚か作家活動かどちらかひとつしか選べないと言われているようで、悔しかった。その人の口からそんな言葉がでたことが、ショックだった。