17/10/23 18:51:19.29 of6dLg1W0.net
体重が日に日に増え、見るからに不健康そうな正恩のことを中国人は「金家の3代目の太っちょ(金三胖)」と呼んでバカにしてきた。
ところが最近、彼の中国人の間での評価が変わり始めている。
SNSの微信(WeChat)で「この若き指導者には尋常ならざる指導力と政治的な知恵がある」「優秀な80後(80年代生まれ)」の人物」「北東アジアのゲームの達人は北朝鮮にいる!」と、手放しでたたえる書き込みが広がっているのだ。
中国で金正恩評価の動きがあるのは、自国のリーダーへの不満が背景にある。
間もなく共産党大会で新たな最高指導部メンバーが選ばれるが、独裁体制をさらに固めるといわれている習近平を国民は必ずしも手放しで礼賛しているわけではない。
「中卒レベルの知識しかない(実際、習は高校生の時に文化大革命で下放され、大学はコネ入学だといわれている)」
「演説がうまくない(5年前に失脚した薄熙来(ボー・シーライ)は演説の名手だった)」……といった具合だ。
これに対して金正恩はスイスに留学経験もあり、国際経験が豊富。
核とミサイルで世界を翻弄し、中国のお株を奪う「孫子の兵法」のやり方で宿敵の韓国と中国を仲たがいさせた。
そして核ミサイルを「踏み台」に、トランプ米大統領との直接交渉という究極の目標を実現しようとしている。
以前、中国のネットで「金三胖」はNGワードだった。
友好国の指導者を侮辱させない配慮だが、最近は検閲対象でなくなっている。
「北朝鮮を自由に批判していい」という中国政府の態度の表れだが、彼らは国民の間で「3代目の太っちょ」の支持が静かに拡大していることに気付かないらしい。
*習近平のコネ入学疑惑
75年、下放先の陝西省の農村から北京の名門・清華大学に入学できたのは高級幹部だった父への配慮とされる。
同大学で博士号も取得しているが論文は秘書が書いたとの指摘も。
（ニューズウィーク 2017年10月17日号）より