17/10/04 23:10:25.13 Br1Ed8dv0.net
■BIの経費を試算してみた
■必要総額
日本人口は1億2700万人である。一人あたり月額10万円＝年額120万円の支給を行う前提で考えると、その必要総額は152兆円となる。
■財源候補その1、社会保障給付費108兆円
年金、医療、介護に使われる公的費用。それらを全てカットすれば、公的支援が全く無くなる代わりに、社会保険料や年金の支出分が財源となる。
ただし、これらの社会保障費は、もともと給与所得者等が支払いしている社会保険料（40歳未満サラリーマンで月4万円）なので、それに代わってBIを支えるためのBI費が毎月の支出として発生し、相殺関係がうまれる。
なおかつ、公的支援の撤廃により1万円だった通院は10万円となり、今まで5千円で受けられた介護サービスは5万円となる。
よって、国民は、アメリカのように個別に保険を購入せざるを得なくなる（米国では一世帯あたり平均して月に4万円程度の支出）。
■財源候補その2、公務員の人件費26兆円（自衛官や官僚等の国家公務員6兆円／地方公務員20兆円）
ここでは、国家公務員と地方公務員の25パーセントぐらいはIT化でカットできると（楽観的かつ無根拠に）考えて、6兆円程度を確保する。
■財源候補その3、増税
上記よりBI予算不足18兆円を税金で賄うとして考える。
①消費税
1%上げれば2兆円の税収と言われている。そのため補填のために行う上昇幅は9%だ（ただし消費税と税収には逆進性がある）。
②所得税
現在の当該税収は16兆円である。
課税率をほぼ2倍にすれば釣り合う計算だが、高所得者の所得税はすでに45％の水準であり、財源として考えるのであれば公平性の観点から消費税が適切であろう。
■予測
以上、月に10万円で試算したところ、現行の社会保障および消費税の値上げと引き換えに、国民が一定の収入（BI費を差し引いた6万程度？）をえる想定となった。
しかし、本試算は現状の国民所得が変化しないというバーチャルベースの計算なので、もしアルバイトとBIで生計を立てる人が増えるとすれば、財源は逼迫し、消費税への負担に転嫁されるだろう。
なおかつ、個人での医療保険、介護保険の加入はほぼ必須となる。
BIは自己責任社会であり、これまでは生活保護、老後の収入や医療を国に一部運用してもらう形態であったものを全て自分で運用するイメージに近くなる。
貯蓄も必要だ。月に4、5万で全ての人が老後までを自己管理できるだろうか。
生活保護や公的医療、年金というセーフティネットが無いのだから、当然ながら、運用に失敗して破綻する人がでるだろう。
保険や老後の貯蓄、不測の事態にカネが無い人が増えれば、スラムが発生して治安は悪くなる。それは経済に悪影響をおよぼす。
つまり、予測として経済への不透明なリスクは確実に増すのである。
■結論
目先の金のことだけでなく、経済にも治安にも視野を広げたときに大きくなるリスクの振れ幅を勘案したとき、BIにはネガティブにならざるを得ない。
もし、この検討を前進させるにしても、革命のようにすべてを塗り替えるのではなく、漸近的に試験を進めるべきだろう。