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■ニュアンスで変わる「内閣支持率」
「あなたは現在の内閣を支持しますか?」
こう聞かれると、現状では誰もが素直に「支持する」と答えるのは難しいのではないかと思う。「支持する」と答えるためには、現内閣に特に懸念事項が無いことが条件になるが、
これだけ連日のようにテレビや新聞で与党批判がなされていると、その情報の真偽に関係なく、「支持する」と即答できる人は少なくなる。
そのことを証明するかのように、自民党の内閣支持率は30%を切るという事態になっている。
しかし、ネットでの内閣支持率は未だ50%を保っており、両者間に20%以上もの大きな開きがあることが問題視されているようだ。
個人的な肌感覚ではネットの世論調査の方がより現実に近い数値だと思えるのだが、30%という数値もガン無視するわけにはいかないので、少しこの件について考えてみよう。
この「内閣支持率」というものは、一体、何を意味しているのだろうか? そして、その「支持率」は本当に信憑性があるものだろうか?
「内閣支持率」とは、無作為に選ばれた有権者に回答を求める世論調査(アンケート)の結果を表したものということになっている。
しかし、仮にその世論調査に信憑性が有ったとしても、「支持」という言葉自体が、その信憑性を担保できないものにしている。
なぜなら、「内閣支持」という言葉に対して個々の有権者が捉えるニュアンスは異なっており、そのニュアンスの違いによって、結果も大きく変わってくるからだ。
例えば、「内閣支持」の意味を次の2点のニュアンスで考えてみよう。
A、「与党として相応しい政党」という意味
B、「現内閣に不満は無い」という意味
この場合、「A」も「B」も反対という人は「支持できない」となるが、「A」も「B」も賛成という人は「支持する」となる。
では、「A」は支持できても「B」は支持できないという人はどうなるのか? ここに「内閣支持率」の誤謬が隠されているような気がするのは私だけだろうか?
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