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シンガポールビジネスタイムズ:日本メディアの企業文化は長年続いてきたものであるが、安倍政権以来もっと抑圧的になってきた印象を持っているか?同様に自主検閲のような傾向も安倍政権以来強くなったという印象を持っているか?
古賀:実は話したいと思っていたことだ
なぜ安倍政権になってこんなに報道の自由という問題が言われるようになったのか?いま私が挙げた色々な項目は民主党政権の時もそうだったじゃないかと言えると思う
現に民主党政権の時にももちろんいろいろな圧力があった。私自身民主党政権の最後の頃に民主党政権の批判をして、この前の「日本中枢の崩壊」という本を出したけれども
その時にもテレビに出ると官房長官から直接報ステに電話がかかってきたりということもあった。だからそれぞれの話というのは安倍政権になって突然変わったわけではない
安倍政権は、ある意味非常に優秀だと思うが、ここに挙げたような日本のプレスをめぐる様々な要件というものをよく理解して上で、それらのすべてをオーガナイズされた形で活用することを徹底して行うことを組織的にやっているということだと思う
民主党政権の時の圧力というのは日々あったのだが、かなりバラバラだった。例えばテレビで誰かが民主党政権を批判したら文句を言う、というような個別の対応に終始していたと思う
だから個別の事案として出てきて現場でそれぞれ抵抗することが可能だった
安倍政権のもう一つの特徴は、現場への圧力は日々かけ続けるものの、それとは別にトップを押さえるということを非常に力を入れてやっている
毎日のように菅官房長官がメディアの幹部なりコメンテーターと食事をする、安倍さんが社長たちと会食をしたりゴルフをする、しかもそれを仲良しですよと見せてしまう
現場にいる記者に対してうちの社長はすごく仲良しなんだと見せることは非常に大きな影響力があると思う
その一つの証左として日本放送労働連合会が出した声明の中に、トップが会食したりゴルフしたり困りますよねと書かれるほどであり、意識されているということだ
トップが安倍総理と親しいということを見せながら現場に圧力をかけていくというのが非常に効果的なのである
記者の立場から見ると安倍政権と問題を起こした場合にものすごく仕事が邪魔されることになる
なぜなら仮に自分が抵抗していても最後上から来たら負けるというのが想像されるので、自分がやってることは正しいと思っても、なにかクレームが来たらうるせえほっとけという対応ができず、一応真面目に答えなければならない
ところが毎日毎日日々のニュースを書かなければならないのにそんなことに時間をかけるのはとんでもなくわずらわしい
だったらちょっとここの表現はこういう風にしておいた方が後で面倒がないなというように、少しずつ自主規制されていくことが現実に起きていると思う
そして時々大きな問題が起きる。例えば報ステで原子力規制員会を批判するビデオを流すときにちょっとした間違いを起こした際、日頃政府批判をしているようなプロデューサーやディレクターに対してここぞとばかりものすごいプレッシャーをかけてくる
それに対してトップが、間違いを犯したから処分をしなければという対応をすることがあって、それが一種の見せしめになるということが同時に行われている
そういうことが重なっていくことでメディアを支配していくと
結果、例えば私が辞める前に起きたことだが、選挙の前に自民党が圧力をかける文書を東京の全キー局に送った件でもすべてのテレビ局がそれを隠したことがあった
それから報ステでは局宛の圧力ではなく報ステのプロデューサー、それも特定の日時の特定のビデオについて内容が不適切だと圧力をかける文書が、この本にも出ているが、来ているものをテレビ局が隠した上で局内に周知する行為にまで及ぶほど
テレビ局が組織として政権に従順と言うか飼い慣らされている状況ができてきた。もう2015年くらいまでにはだいたいできたということである
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