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リチウムイオン電池も有機ELの二の舞か?日本勢の危機感不足と油断は致命傷を招く
2017年5月25日(木)
有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)のビジネスが着々と進んでいる。スマホやタブレット用には、韓国サムスンディスプレーが小型有機ELパネルの供給で独占状態にある。
これまで有機ELを採用してこなかった米アップルも、いよいよ2017年秋に発売するiPhoneの新モデルから採用することを決めている。スマホの世界では、液晶から有機ELへと主戦場が変化する方向に進んでいる。
一方、有機ELテレビの市場も徐々に拡がりつつある。しかし大型有機ELパネルの生産メーカーは、現在、韓国LGディスプレーのみである。
最近、ソニー、パナソニック、そして東芝が有機ELテレビの参入を明らかにした。いずれも有機ELパネルはLGディスプレーからの調達を決断した。
サムスンディスプレーもLGディスプレーも、独占状態で供給契約を結んでいるため、完全な売り手市場となっており、プレミアム価格での供給が続いていると思われる。
その結果、特にサムスンディスプレーでは、17年1~3月期に有機EL事業が約1000億円規模の利益をたたき出したという凄さである。
本来、先端技術が得意であった日本が、こと有機ELに関しては全く後塵を拝している。
シャープにしてもジャパンディスプレイ(JDI)にしても、「液晶の次は液晶」「液晶での更なる差別化」を戦略骨子として拘わり過ぎた分、有機ELには完全に出遅れた格好である。
両社とも準備は進めていると言うものの、現在のサムスンと同等レベルまで事業を展開するには、4~5年は必要であろう。あるいは、それでも無理かもしれない。
ましてその間に、サムスンディスプレーは独占的立場で先行利益を確保し続けることになるだろう。
さらに競合が参入してくれば、次は製造コストを低減させつつ価格主導でビジネスをリードする戦略ということになる。
この光景を眺めると、数周回遅れのシャープやJDIにとっては後手に回る苦しいビジネスが待ち受ける。
そうかと言って、有機ELを避けるビジネスの選択を取れば、いずれは息詰まることになる。現状、赤字が継続しているJDIにとっては特に重い十字架を背負っていると言えよう。
これまでの新技術に関したビジネスモデルは、日本が研究開発で先行し、量産を世界初で実現し、先行利益を確保して、そこに海外勢の新規参入組が追随するというプロセスであった。
その場合、後発の海外勢は量産までの時間軸を縮め、投資をし続けて追いつき追い越すという展開であった。しかし、有機ELに関しては全く逆の構造となってしまっている。
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