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■「東南アジアで対中迎合が起きている」
中国が地域における経済的な影響力を武器として使い、米国からアジア諸国を引き離し、各国を丸め込んで
自国の勢力圏に引き込もうとする中、アナリストらはアジアに広がる「ドゥテルテ効果」について語っている。
「マレーシアは今、ぐらつくドミノのように見える」。シドニーのローウィ国際政策研究所のディレクター、
ユーアン・グレアム氏はこう語る。「東南アジア全土で大きな対中迎合が起きているという悲観的な読み筋を
マレーシアは裏付けている」
マレーシアと中国は南シナ海で領有権の主張が重複しているところがあるが、マレーシアの主張はかなり
南方に位置し、北方にある岩やサンゴ礁から島を建設する中国の最近の活動から離れているため、両国が
衝突することはめったになかった。
だが、マレーシアの沿岸警備隊は3月、約100隻の中国漁船が南シナ海のマレーシア領海に侵入する様子が
確認されたと発表した。これは中国が海洋権益の主張を推し進める可能性が高いことを示す兆候だった。
隣国のシンガポールとベトナムはともに、米国との防衛関係強化に動き、シンガポールは米軍の偵察機ポセイ
ドンの配備を認め、太平洋に浮かぶ米領グアムでシンガポール軍が訓練する機会を模索している。
対照的にドゥテルテ氏は、中比関係の「春」を宣言した10月の訪中時に、135億ドルの取引と投資に調印している。
シンガポールのISEASユソフ・イシャク研究所のフェロー、ムスタファ・イズディン氏は、マレーシアは中国に
対し、南シナ海における自国の利益の保護と経済関係の強化を組み合わせた「バランスの取れた」アプローチ
を追求していると指摘する。
中国はマレーシアにとって最大の貿易相手国であり、中国からの観光客数は、2014年に北京行きのマレーシア
航空370便が消息を絶った後の落ち込みから盛り返した。
マレーシア国内では、ナジブ氏は国営投資会社「1MDB」から数十億ドルの資金が略奪されたとの訴えの渦中に
いる。このスキャンダルは、米国とマレーシアの関係を緊迫させた。米国の連邦検事が、不正流用されたカネで
買われた疑いがある資産の凍結に動いたからだ。
前出のニール氏は、「もしナジブ氏が自分に(米国の捜査の)照準が定められたと気づいたら、自然に中国へ
気持ちが傾くことになるだろう」と話している。