16/03/14 21:50:11.05 Ke2g/nJF0Pi.net
どうして自分はAV女優になったのか。そんな自分語りを、女優たちは
しばしばくりひろげる。雑誌のインタビューのみならずAVの画面でも。
それぞれなかなか聞きごたえもある、おもしろい語りになっている。
だがその表面的な鮮やかさや解りやすさを鵜呑みにしてはいけない。
彼女たちは日常的に自分語りを要請されている。仕事をもらうため
には、業界内でのさまざまな面接をへなければならない。彼女らの
語りはたび重なる面接を経て磨きあげられていく。「お兄ちゃんに
犯された過去」などは、いともたやすくつくられてしまうのだ。
こうした語りはまた、彼女たち自身をも納得させる効用を持っている。
本当のところは(彼女たち自身にも)どうしてこの道に入ったのかが
わからない。少女が自分の性を軽やかに商品化する。都会ではよく
見かけるそんな場から、一歩踏み込んだだったのかもしれない。
しかし、自分語りをつづけていくうちに、彼女らはもっともらしい
説明へとたどりつく。視聴者の欲望する女優像のみならず、今の
自分が合理化できる語りを見つけだす。
女優のインタビュー集などは、気をつけて読まねばならないなと思う。
URLリンク(ianfukangaeru.blogspot.jp)
「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』
への書評 井上章一