16/01/04 04:14:40.79 gVHTItsm0.net
>>341
■慰安婦は廃業の自由が無かった(1)借金返済方法の制限
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ある晩、兵器廠の副官をしている小泉中尉が私を訪ねてきた。彼は幹部候補生出身の純真な青年将校である。はじめのうち、何か言いにくそうに話を切り出すのをためらっている様子だったが、
やっとつぎのような話を申しこんだのであった。
「─東成楼のルミ子は、私の妹のクラスメイトで、偶然ここでめぐりあったのだが、若い身空でこうした境遇に落ちこんでいるのは見るに耐えられない。
何とか早急に内地へ返してやる方法はないだろうか。前借金はまだ残っているというが、それについてまとめた払う方法はないものだろうか。何とか特別の配慮をしてもらえまいか─
ということである」
私は彼の青年らしい純真な気持にうたれたが、妓は自分の身体で稼いで前借を返さねばならぬという拘束がある。なんとも不合理な話なのだが、私にも特別の配慮のしようがない。
(山田清吉「武漢兵站」p110・111)