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>>1つづき
小村田:憲法違反とのご指摘に対して、反論する政府見解が出ました。
教え子に官僚も多いと思いますが、これが大学の試験だったら何点つけられますか?
長谷部:そもそも反論になっていないんですよ。
小林:そう、採点対象にならない。
長谷部:同じことの繰り返しで、要するに、反論できないということを示したんですよ。
小村田:落第ですか?
小林:答案の形で出てきたら「失格」と言いますよ。「自分は間違ってない!」という確信だけ強くて、一種の
「バカの壁」ですね。論争になっていない。
小村田:自民党の高村正彦副総裁は「憲法学者はどうしても憲法9条2項の字面に拘泥する」と発言しました。
小林:ふざけんな、と。条文というのは、憲法であれ法律であれ、不完全な人間が将来に向かって間違いを犯
さないように話し合って書いた約束なんですね。字面に拘泥(こうでい)しないということは、こう書いてあ
るけど、俺は違ったようにやりたいから四の五の言うな、ということでしょ。独裁政治の始まりなんですね。
民主主義の否定なんですよね。彼らは字面を無視して自分の思いに拘泥する。独裁者の発想じゃない
ですか。
長谷部:日本を取り巻く安全保障環境が危険になっていると言うのなら、日本の限られた防衛力を全地球的に
拡散するのは愚の骨頂です。サッカーに例えれば、自分のゴールが危ない時に味方の選手を相手陣
営に拡散させる行為。どこにそんなチームがありますか。全世界的に米軍に協力すれば、いざという時
に米国が日本を真剣に守ってくれるなんて、全くの希望的観測だと思います。