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左右のルサンチマンを卒業しよう-佐伯啓思『従属国家論』★☆☆☆☆
池田 信夫
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孫崎享氏の本は半藤一利氏などの孫引きだが、本書は全面的に江藤淳の孫引きだ。
両者に共通しているのは、日本は新憲法と日米同盟でアメリカの「従属国家」になったという、おなじみのルサンチマンである。
著者にとっては(江藤と同じく)国家主権が何よりも重要で、それをアメリカに奪われたままの日本は、いつまでも奴隷のようなものだという。
これは安倍首相を初めとする右派の多くに共有されている感覚だろうが、著者は首相が日米同盟やTPPでアメリカと「価値観を共有」するのはけしからんという。
それはアメリカ的なグローバリズムが「日本の伝統」に合わないからだという。
その伝統とは何か、よくわからないが、特攻隊のような「自己犠牲」の精神らしい。
それが日本のいつからの伝統なのか、またその伝統をなぜ守る必要があるのか、何も説明がない。
たぶん著者も―多くの右派と同じように―明治時代を日本の伝統と思っているのだろう。