19/06/13 14:04:15.34 .net
>>54
これ、『平成ガメラ』を撮った時に、特撮監督をやった樋口真嗣が、夜、ガイナックスに来て、本当にしみじみ語ってたんですけども。
「なんで怪獣映画が滅ぼびたか、自分で作ってみてようやっとわかりました。ガメラはリーチが短い。
ギャオスと格闘できないんです。だから、もう俺がやっているのは、カットを切り替えて怪獣同士が格闘してるように誤魔化すのの連続なんですよ」って。
これはもう、平成ガメラ3部作、全部そうなんですよね。「こんなの子供が真似しても楽しくない」というふうに語っていました。
・・・
もう1つの滅びの理由は、1974年の『ゴジラ対メカゴジラ』の辺りであった出来事なんですけど、
「『宇宙戦艦ヤマト』によるアニメブームの到来」です。
『マジンガーZ』が公開されたのが1972年なんですよ。で、『宇宙戦艦ヤマト』って、そのわずか2年後の1974年なんです。
そして、『機動戦士ガンダム』というのが1979年なんですよ。
アニメって、ものすごく進化が速かったんですよね。怪獣映画というのは、この進化の速さについていけなかったんですね。
まさに「巨大だけどノロマな恐竜と、身体は小さいけど敏捷な哺乳類の差」になってしまったんですね。
このアニメーションの表現というのは、所詮は怪獣映画の真似だった『マジンガーZ』から、
怪獣映画の影響を受けない『宇宙戦艦ヤマト』になって……まあ、『宇宙戦艦ヤマト』も、
中盤に“宇宙怪獣バラノドン”というのが出てきて、怪獣映画の残り香がちょっとだけ入っているんですけども。
もう『機動戦士ガンダム』になってきたら、ドラマから何から、怪獣映画が全く追いつけない地平まで進んじゃったわけですね。
「巨大な怪獣が戦う」という絵の痛快さは『マジンガーZ』に奪われてしまい、
お話のスケールやロマンみたいなものは『宇宙戦艦ヤマト』に追い抜かれ、
教室でごっこ遊びする楽しさは『仮面ライダー』とか戦隊モノに追い越された。
なので、後期のゴジラ、1972年の『ゴジラ対ガイガン』や、73年の『ゴジラ対メガロ』は、もう本当に酷い。
酷すぎて逆に面白いというか、酷すぎて、いまだに僕は年に1回は必ず見るという作品になってるんですけど(笑)。
そこから、ラスト2年、74年の『ゴジラ対メカゴジラ』、75年の『メカゴジラの逆襲』で、ちょっとだけゴジラは持ち直しました。
まあ、持ち直したといっても、『メガロ』や『ガイガン』に比べて持ち直しただけで「全盛期の怪獣映画に比べて」という意味ではありません。
でも、持ち直して終われたのが、最後の慰めになっているとは思います。
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この記事は『岡田斗司夫ニコ生ゼミ』6月2日分(#284)から一部抜粋してお届けしました。
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