19/06/13 14:03:31.28 .net
>>53
第2次怪獣ブームが始まるはずだったんですけど、同時に始まった『仮面ライダー』に、子供達の人気はほぼ全て持っていかれてしまったんですね。
なぜか? なんで第2次怪獣ブームっていうのは、そんなに爆発せずに『仮面ライダー』に持ってかれたのか?
これ、さっき少し話した「怪獣映画というものが持っている根本的な欠陥」に関係しているんですけども、みんなわかるかな?
ちょっとコメントを見てみようかな? 怪獣モノが持っている根本的な欠陥。
「予算?」(コメント)
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「予算?」(コメント)
予算じゃないんですよ。
これね、樋口真嗣も『ガメラ』を作った時に思い知って、「これはキツい」って言ってたことなんですけど。
実はですね、怪獣というのは「格闘戦が出来ない」んですよ。
『ゴジラの逆襲』で、ゴジラとアンギラスは格闘をやったんですけど、
これは「アンギラスが飛びついて噛み付いて、ゴジラがそれを振り払う」というのの連続だったんですね。
なぜかと言うと、怪獣って着ぐるみだから、腕の長さが短いんですよ。だから、基本的に取っ組み合いが出来ないんですね。
『キングコング対ゴジラ』では、コングとゴジラは、お互いに離れたところから声を出して、岩を投げ合うんですよ。
『キングコング対ゴジラ』って、コングがゴジラのしっぽを持って振り回すシーンとかがポスターになってたんですけど、
確かに、そういうシーンもあるんですけど、それはほんのちょっとなんです。ほとんどは、岩投げ合ったりとか、そんなシーンばっかりなんです。
この対戦方法は、以後もそのまま引き継がれて。
そのまま、キングギドラが初登場する『三大怪獣』でも、ゴジラとキングギドラの戦い方っていうのは岩を投げ合うことでした。
『怪獣大戦争』でも、やっぱりゴジラはキングギドラに岩を投げてます。まあ、しっぽで岩を弾いたりもしてるんですけど。
昭和のゴジラ映画って、ゴジラの戦闘シーンがダサいというかカッコ悪い。絵にならないんですね。
なぜ、東宝がフランケンシュタインの怪獣というのにスライドさせたがっていたのかと言うと、
この根本的な欠陥に気がついていて、なんとか怪獣に取っ組み合いさせるために、
人間的なプロポーションの怪獣を出そうとしたからなんですよ。
『仮面ライダー』というのは、根本的に主人公の仮面ライダーも敵の怪人も人間型だから、動きがシャープなんですね。
ちゃんと格闘が出来る。イコール「子供が真似出来る」んですよ。
もちろん、怪獣も真似出来たんですけど、怪獣の真似をする時には、
みんな「ゆっくり動いて、砂場の砂の建物を踏む」みたいな、地味な遊びになるんです。
それに対して、『仮面ライダー』って、もう、敵とか味方とかに別れてアクションするだけですから、
子供達が休み時間にパパパっと遊べるくらい、スピーディーで早いんですね。
そして、これが『帰ってきたウルトラマン』と『仮面ライダー』の人気の差になっちゃったわけですね。