19/06/13 14:00:04.45 .net
>>49
怪獣映画という帝国は滅んだんですけど、その遺跡の上に建てられた新しい文化、
『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』というのは、今のライダーや戦隊モノ、
あとは『トクサツガガガ』として、その子孫が今日も発展しています。
まるで「恐竜は滅びたけれど、鳥類になって生き延びた」ような感じなんですね。
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では、年表をチェックしてみましょう。
まず、1954年の『ゴジラ』です。
これが、まあ考えられないくらいヒットして、海外にも売れたわけですね。
慌てた東宝は、僅か3ヶ月後に続編を制作します。それが『ゴジラの逆襲』です。
これ、あまりにも慌てて作ったから、予告編すら存在しないんですね。とにかく、出来たらすぐ劇場にかけた。
それくらいゴジラがヒットしたんですよ。
急ピッチでですね、撮影、公開しました。
しかし、この『ゴジラの逆襲』の時に、原作者の香山滋は「もうゴジラは作れません」と言っちゃったんですね。
もともと、香山滋という人は、ちょっと不気味なミステリーとかを書く作家だったんですけど。
まあ、『ゴジラ』があまりにもヒットしたので、周りの同業者から、もう、やっかみとか羨みで
「またあんな変なの書いてるのかい?」とか、「おやおや、君はまた、あんなオバケの話を書くのかい?」
というふうに言われて、すごくヘコんでしまった。
あとは、もう来る取材、来る取材、「次はどんな『ゴジラ』ですか?」というふうに聞かれて拗ねてしまった。
その結果、「もう『ガンダム』は作りません!」と言った富野由悠季と全く同じように、
「もう『ゴジラ』は書きません!」と言うことになりました。
困ったのは、第3作目を作ろうとしていた東宝です。なんせ、メチャクチャヒットしてたから。
その結果、『空の大怪獣ラドン』というのは、そこから1年半も掛かってしまいました。
『ゴジラ』から『ゴジラの逆襲』って5ヶ月しか空いてないんですけど、次の『ラドン』では、
1年半も掛かっちゃったのは、原作者を確保できなかったからなんですね。
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ブームが本格的になってきたのは、この1964年頃からです。
『モスラ対ゴジラ』、『宇宙怪獣ドゴラ』、『三大怪獣地球最大の決戦』この辺りから、ブームが本格的になってきました。
『モスラ対ゴジラ』というのは『ゴジラ』を悪役に見立てた怪獣対決モノです。
『ドゴラ』というのは、「もう着ぐるみの怪獣をやめよう! 全部、水槽の中で撮影したクラゲみたいな宇宙怪獣を出そう!」という、
大人向けの作品として作られたんですけど、これは大失敗しました。