19/06/14 10:55:48.13 .net
>>232
そういう感覚って、今、ないですよね? 今、ゴジラ映画を見る時って、急に目玉がアップになるとか、
急に何かが現れるというようなシーンでない限り、みんなビックリしないんですけど。
そのゴジラ初登場のシーンって、本当に「ロングショットで山の稜線が見えていて、
その向こうにゴジラの顔がヌッと出てくる」というだけの、すごくシンプルなシーンなんですけど。
それでも、映画館中の大人が「うわーっ!」というふうに後ろにのけぞった、と。
そして、それを見ていた宮崎駿は「うわーっ、おっかねえ! 大人もみんな怖がっている! と思った」と言うくらい、怖いシーンだったんですね。
このゴジラ初登場のシーンというのは、東宝映画内のスタッフ試写の時にも、みんなが一番気にしてたところなんですよ。
ゴジラ初登場って、そこで見ている人達がみんな「ああ、こんなもんね」と思っちゃったら、もうダメだ、と。
だから、本当に怖がってくれるかどうか、円谷英二を始め、本多猪四郎始め、スタッフはビクビクものだったんですけど。
やってみたら、社内の全員が、試写を見た瞬間「あそこが怖い」と言った、と。
実は初代『ゴジラ』というのは、ホラー映画だったんですね。
ゴジラが銀座の街を壊して通った後、そこにいた人達はみんな放射能障害で運ばれて、
どんどん病院で死んでいくんですけど、これもですね、祟りなんですよ。
そういった祟りがある、怖い、人間では殺せない存在。
そういったホラー映画みたいなものが好きな人は、最初のゴジラを僕はオススメします。
・・・
それに対して、もう、僕は大好きなんですけど、『キングコング対ゴジラ』というのは、完全な娯楽作品なんですよね。
(巨大なパネルを見せる:『キンク?コンク?対コ?シ?ラ』)
URLリンク(livedoor.blogimg.jp)
もうね、このポスターでも、主役の怪獣であるはずのキングコングやゴジラよりも、
下の方に描かれている人間の顔の方が大きくなってくる。
これ、何かと言うと、ドラマの方にお話の重きをおいてるってことなんですね。
この『キングコング対ゴジラ』というのは、「この人間達の思惑はどうなるのか!?
最終的にキングコングが勝って、主人公のパシフィック製薬の売上が上がるのか!?
それとも、ゴジラが勝ってパシフィック製薬の売上が下がるのか!?」という、大コメディ映画でもあるんですね。
なので、ちょっとマニア向け過ぎるんですね。
マニアからの評価はものすごく高くて、みんな「『キングコング対ゴジラ』を見ろ!」って言うんですけども、
まだ見たことのない人は、別に見なくても大丈夫です。