18/08/22 10:36:03.89 .net
>>717
このサリマン先生というキャラクターは、描写からいって一筋縄ではいかないんですよ。
ソフィーが王宮に行った時に、「ハウルはこのままではいけません。あの人は困った人です」と言うんですけど。
この時、持っている杖で顔の半分隠しながら喋るんです。
これは「悪役は顔を隠す」という法則の通りです。サリマン先生って、
悪どいことをしている時は、杖で見ている人間の視界を遮りながら話すんです。
まあ、あれには、たぶん杖を動かしながら、軽くソフィーに暗示の魔法をかけるという作用もあると思うんですけど、
とにかく悪そうなんですね。
そんなサリマン先生なんですけど、彼女が車椅子に乗っているのは、おそらく、ハウルとの第1次戦闘の結果です。
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6番目です。「50年前、ある女生徒がサリマンの元から逃げて、荒地の魔女になる」。
そして、7番目、「サリマンのムスカ化」。つまり、小姓を作ったり、人を犬にしたりと暴走を始めて
、魔法を強化したり、反対に無力化する科学研究が、この国で進み始めます。
8番目、「ハウルは荒地の魔女を誘い、惚れさせて逃げる」。自分から「面白そうだ」と荒地の魔女に近づいて、怖くなって逃げます。
これによって、彼女の恨みを買うことになりますが、これ以後、ハウルは同様のことを女の子に対して繰り返しするようになります。
9番目、「サリマン、隣の王子を魔法で襲撃し、カカシにする」。これを僕は“サラエボ事件”と書いているんですけど。
基本的に、『ハウルの動く城』というのは、第一次大戦を描いた話なんですよ。
なので、サラエボ事件によってオーストリアの皇太子が襲われた結果、戦争が始まったように、
劇中で起こっている戦争の直接的な引き金というのは、元々、サリマン主導によって起こされた、
おそらくは当時最強の魔法使いの1人だった隣国の王子に呪いをかけて無力化する電撃作戦の一種だったんだと思います。
そして、10番目、「隣国との戦争が始まる」。これが第一次大戦ですね。
サリマンは、ハウルの魔法力を取り戻そうとします。
この戦争について、物語のラストでハウルが戦う時に“国同士の総力戦”というのを見せているんです。
ハウルが空から下を見ると、兵隊たちが塹壕戦で戦っているのが見えるんですよね。
つまり、悪夢のようにいつまでも終らない国同士の総力戦、潰し合いの戦争である第一次大戦が、あそこで行われたのがわかります。
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