18/08/22 10:34:15.08 .net
>>715
今からこの一番上から解説していきます。
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『ハウルの動く城』の世界の出来事を、時系列順にプロットとして整理すると、どうなるのか?
まず、「隣の国、魔法使いが王国を作る」ということがありました。
さっきも言ったように、魔法使いが魔法王国を作ったんですね。
王子が魔法使いだから、王家の人間が魔法を使えるという“魔法先進国”です。
これに対して、ソフィーの国は魔法と科学で対抗しました。さっき言ったように『進撃』のマーレみたいな国なんですね。
・・・
そして、次に「ハウルの叔父、魔法書を書きかけて死ぬ」ということがありました。
ここはプロットとしても大事な箇所です。どういう意味かというと―
(パネルを見せる)
URLリンク(livedoor.blogimg.jp)
これは、子供時代のハウルの家にタイムスリップしたソフィーが目にした、机の上の様子を描いた絵コンテです。
よく見てみると、机の上には原稿のような紙の上に“文鎮”が置いてありますよね?
この戦艦の形をした文鎮には、ハウルの城についている砲台とか、ハウルが好きなものが全部付いている。
なので、僕は最初、この文鎮はハウルの持ち物だと思っていたんですけど。
でも、ハウルはこの時、まだ10歳くらいの男の子なんですよ。なので、こんな文鎮を持っているとは思えない。
そして、この絵コンテには、「机の上、書きかけの草稿」と書いてあります。
この“草稿”というのは何かというと「出版を予定しているけれど、まだ出版されていない原稿」のことです。
つまり、これはハウルが言っていたように、死んだ魔法使いの叔父さんの遺品なんですよ。
魔法使いだったハウルの叔父さんは、魔法の本の原稿を書いていたものの、出版する前に死んだんです。
だから「草稿」と書かれているんですね。
では、なぜ未発表のまま死んだのかっていうと、おそらく、叔父さんは殺されたから。
そして、誰が殺したのかというと、おそらくは隣の国の王家なんですよ。
理由は「魔法を文字にして出版しようとしたから」です。そういうことをされると、
自分たちの国の優位性がなくなるから、妨害工作として殺されたんでしょう。
その結果、ハウルというのは隣の国を憎むようになります。
ここは押さえておかないとダメなんですよ。
でなければ、ハウルが誰を憎んでいて、誰と戦っているのかわからないんですよね。
「え? サリマン先生の敵なの? 味方なの? それとも隣の国の味方なの?」って、
いったいハウルはどっちの国の味方なのかわからなくなるんです。
でも、よく見ると、ハウルというのは、誰彼構わず攻撃しているのがわかるんですよ。
これはなぜかというと、自分の叔父さんを殺した隣の国も憎いし、自分を縛ろうとしているサリマン先生も憎いから。
そんなふうに、周り全てが敵になっている状態なんですね。