18/07/30 10:09:19.00 .net
>>403
このコールガール人形は、本来、飲み屋のテーブルとかに飾ったり、
あとは、ちょっと気になっている女の子にプレゼントして、
「もう! これ、コールガールの人形じゃない! いやあね、エッチ!」「まあまあ」
みたいな話題にするために売っていたと言われているんですよ。
だけど、そんなことなど全然知らないハンドラー夫妻は、当初はこれを娘のバーバラにあげようとしたんですけど、
「これ、ちょっとカッコいいんじゃない?」ということで、マテル社の商品としてアメリカで売ってみることにしたんです。
そして、この人形に、娘のバーバラの名前にちなんで“バービー”という名前を付けて、アメリカで売り出したわけですね。
・・・
ところが、こんな人形をアメリカで作るとなると高く付く。だって、これ、服も布で出来ているんですよ。
その結果、「どこかの国で作った方が安いんだけど、こういう人形を精密に作れて、
おまけに服とかもちゃんと縫って作れる国はどこかないか?」ということになり、
当時「オモチャとアパレル製品なら、なんでも安く作りまっせ!」と言っていた日本がバッチリだということで、
マテル社は日本に、この人形を大量に発注することになりました。
日本の玩具問屋の“国際貿易”というところに話を持ちかけて、開発から生産から全部依頼するんですね。
バービーの衣装デザインを担当したシャーロット・ジョンソンという女の人がいるんですけど、
この人は社長のハンドラー夫妻から言われて、1年間、帝国ホテルに出張していたそうです。
この辺が、なかなか金持ちですよね、マテル社(笑)。
ただ、「1年間、帝国ホテルの部屋を借りた」とだけ聞くと、「おお。バブルでいいじゃん」と思うんですけども。
そこで何をしていたかと言うと、自宅からミシンを持って行って、1年間ずーっと試作品を作り続けながら、
国際貿易の人が持ってきたものに対して、「いや、これは違う。こうだ」と指導するだけだったそうです。
シャーロットさんは、ほとんど日本観光もせず、帝国ホテルで1年間、延々とミシンを踏んでただけなんですって。
そうやって作られた人形がバービーなんです。
・・・
バービーでマテルは大成功しました。赤ちゃん人形しかなかったところに、
大人っぽいファッションドール、それも着替えの服のバリエーションもいっぱいあるものを持ってきたんだから、
アメリカの女の子は喜んでバンバン買うわけですね。
この成功を見て、他のメーカーも、いわゆる“12インチフィギュア”と呼ばれる、
バービー人形と同じ30cmのフィギュアを製作し始めます。
この12インチというサイズのフィギュアは後にメジャーになるんですけど、なぜ、これが12インチなのかというと、
ただ単に「モデルになったコールガール人形のリリーが30cmだったから」というだけの理由なんですね。
みんな「フィギュアというのは30cmのものなんだ」と思ってこれに合わせて作っちゃっただけなんですよ。
この玩具メーカーの“とりあえず売れてるものと同じサイズに作っちゃう問題”というのは、
これ以外にも、今日の話の中であと2回出てきますから、覚えておいてください(笑)。