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2017年12月04日12:00
「ついに任天堂スイッチを買ったぞ!岡田斗司夫がゼルダを語る!!!」
2017年11月26日号ニコ生ゼミ テキスト全文公開
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ
「いじめ問題と怪物との戦いを重層的に描いた傑作ホラー『IT』」
スティーブン・キング『IT』
【全文を読む】
スティーブン・キングの『IT』っていう映画が公開されたので見てきたんですけども。
みんなはこの映画、どれくらい見たのかな? 「ホラー映画だ!」って思って見る人もいれば、
「ホラー映画だからいいや」と思って見ない人もいると思うんだけど。
(中略)
というのも、原作小説では、「過去話である1958年と現在の話である1985年」という形で2つの時代が描かれています。
1958年当時に10歳だった少年達と、1985年、もはや37歳になってしまった中年のおじさんおばさん達。
それぞれ同じ人物なんですけども、彼らが「IT」と二度戦うという構造になっているんですね。
舞台は、アメリカのメイン州っていう、もう本当に東海岸の北の端。
カナダとの国境辺りにある、もう森しかないような田舎の州。
そんなメイン州にある、デリーという架空の町です。
そこでは、27年に一度「子供を捕まえて食べる鬼」っていうのが現れるんですよ。
「子取り鬼」って言うべきなんでしょうか? まあ、実際は鬼ではないんですけども。
そういう怪物が現れた1年間は、子供達を捕まえて食べるんですね。
なのでデリーという町は、よその町に比べて、子供達の失踪率や死亡率が200倍くらい高い。
「こんな町はアメリカ中に他にない!」ということに、登場人物たちも途中で気が付くんですけども。
しかし、町の中でそんなデータが残っているにも関わらず、なぜか、誰も騒いでいない、という状況にあります。
そんな町を舞台に、27年に一度、1年間だけ現れる「子供を襲って食べる怪物たち」と戦う話なんですね。
(中略)
主人公はビル・デンブローという吃りの少年。彼は27年後には小説家になるんですけども。
まあネタバレにならない感じで話しますけど、この吃りの少年は、幼い弟をITに殺されたんですね。
この物語の中では、子供を襲う怪物を「IT(それ)」っていう指示代名詞で呼んでます。
以後の彼の家庭では、お父さんとお母さんが、ずーっとツラそうな顔をしていて、
笑いも明るさもない感じで、ビル少年は、それがいたたまれなくてしょうがないんですね。
「弟が死んだことによって、この家からは「大事なもの」が失われてしまった。そして、それは自分ではない」
ということを思い知らされた、と。
そして、自分と同じような「負け組」と呼ばれる、学校の中でいじめられてる子供達を集めて、
ITと戦うことを決意するというのが、第1部での大きい話です。