17/11/15 15:38:51.47 .net
>>479
こんな中で、レプリカント同士がセックスして子供を作れるのだとしたら一番いいじゃん?
なので、「この秘密を探るためにデッカードを見つけてこい」とKに依頼する。
こんな矛盾した命令の間で、Kは悩むわけだよね。
そうやって、警察の上層部と、レプリカントを作っている会社、さらにもう1つ出て来た、
反乱を企てるレプリカントたちによる組織という3つの勢力が、
それぞれ違った目的のためにデッカードを探そうと、Kに近づいてくる。
その上、Kは、この3つの勢力とは別の理由で、デッカードを探したいと考えている。
なぜかというと、K自身が
「ひょっとしたら、その“レプリカントから生まれた子供”って、俺のことなんじゃないか?」
と思っているからなんだ。
これについては、映画の中にもいろんな証拠が出てくるんだけども。
ここまでが、映画の中盤までの話。
こういった「自分はレプリカントから生まれた子供なのでは?」という謎を提示することによって、
物語を前に進めていくためのトルクを作っている。
・・・
さて、Kはその後、ラスベガスあたりでデッカードを見つけるんだけど。
彼の捜査によって、会社側にもデッカードの居場所がバレてしまう。
せっかく見つけたデッカードを奪われて、おまけに、
「Kはレプリカントの息子でもなんでもない」と知らされる。
どういうことかというと、「俺は2人の息子かもしれない」と思っているKの記憶自体が、
後から植え付けられたものだったんだ。
Kは、「ただでさえレプリカントという人間の偽物なのに、
自分が子供の頃の記憶だと思っていたものすら偽物だったなんて、俺ってとことん偽物なんだな」
って悩む。
ここらへんは、現代人が抱える「どこまでが本当の自分の記憶なのかわからない」
といったテーマが入ってきているよね。