17/11/14 10:48:22.53 .net
>>234
でも、「キューブリックだったら、こうは撮らないだろう」って思っちゃうんだ。
まあ、こんなこと言ってもしょうがないんだろうけど。そういう弱さがあるんだよね。
じゃあ、なんで、以前の『ブレードランナー』が画として強く見えるのかというと、「かわいいから」なんだ。
この「かわいい」という言語は、世界中でも日本人以外はあまり発見していない概念なんだけど。
実は、この「かわいいか否か」というのは、映画がヒットするかどうかにすごく大きく関わっているんだよ。
キューブリックの映画って、正直、かわいくないんだよ。
ところが、『スターウォーズ』にしても『ブレードランナー』にしても、
本当にミニチュアを作って、苦労して撮ってる特撮映画って、なんか、かわいいんだよね。
前の『ブレードランナー』の、ビル街の中をスピナーが飛ぶシーンにしても、
実際にミニチュア作って飛ばしているもんだから、そういった「無理してる感じ」がかわいく見えるんだ。
だからといって、「今回の『ブレードランナー2049』は、
特撮じゃなくコンピュータグラフィックだから、かわいくないのか?」って言うと、違う。
だって、『カーズ』にしても『トイストーリー』にしても、ちゃんとかわいいでしょ?
だから、「CGだからダメ」という話でもない。
この、かわいさという、ちょっとした色気みたいなものを
画面に乗せるかどうかってすごく大きいと思うんだ。
ちゃんと日本でヒットしている『アベンジャーズ』シリーズなんかのマーヴェル映画と、
『バットマン vs スーパーマン』とか、『ジャスティスリーグ』みたいなDCコミック映画を比べると、
DCの方はかわいくないんだよ、不思議なもんで。
最近公開された『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、
俺、かわいいから見に行くことが決まってるんだ。
ものすごい変な髪型をしたケイト・ブランシェットが、
「アハハ」って振り返るシーンを見たら、もちろん「すごい! かっこいい!」っていうのがあるんだけど、
同時に、なんかちょっとかわいいんだ。
そういうふうに、画面全体にかわいげがあるんだよね。これ、案外、大事なんだ。