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2017年10月24日07:00
難解すぎる映画『エイリアン:コヴェナント』の読み方、教えます!<前編>
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『エイリアン:コヴェナント』について、「みんな、そろそろ観た頃だろうし、まだ観ていないという人は、
観る気がないんだろう」と思ったので、ネタバレをガンガンしながら話していきますけども。
この映画が何を意味しているのかのヒントは、「リドリー・スコットの発言が変化している」
というところなんですよね。
何週間か前に語った『デューン』の話を覚えていますか? リドリー・スコット監督というのは、『エイリアン』の前に、
実はデューンの製作に関わっていた“魂の戦士”だったんですね。その時、ダン・オバノンに対して
「俺、SFは全然わからない。でも、『2001年宇宙の旅』だけは好きだ」と話していたとされています。
ところが、今現在のリドリー・スコットのインタビューを見ると、
好きなSF映画として挙げる作品の中から『2001年宇宙の旅』が抜けているんですよ。
なんか、もう「そんな映画など知らない」みたいなフリをしているんですね。
これが、なぜなのかっていうのが、今日の話の肝なんですけども。
・・・
『エイリアン』という映画は、前にも話した通り、あくまでもダン・オバノンという人の作品であって、
実は、リドリー・スコットのものになりきらなかった映画でもあるんです。
まあ、今回の『エイリアン:コヴェナント』とか、その1つ前の『プロメテウス』は、
もう、誰がどう見ても“リドリー・スコット監督作品”なんですけども。
エイリアンっていうのは、リドリー・スコットにとっては消化不良のようなもので。
「ダン・オバノンが持ってきたものを、カッコよく映像化するために必死で作っていたんだけど、
本人としては、いまいちテーマを掴み切れていなかった」というのが、僕の感覚なんです。
ちなみに、これは『ブレードランナー』についても同じなんですね。
ブレードランナーでも、リドリー・スコットは、あくまでも途中で指名を受けて呼ばれた監督なので、
テーマを上手く掴み切れていない。
いや、ブレードランナーという作品自体は面白いんですよ?
作っていた当時は、リドリー・スコットなりに、そこにテーマも盛り込んだつもりだと思うんですけど。
でも,この映画の原作は、もともと『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』というタイトルなんですよ。
この「電気羊」というのは何かというと。あらゆる動物がほとんど死に絶えた後の地球、
主人公のデッカードという男は、自分の家の屋上で電気で動く偽物の羊を飼っているんだけども。