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2010年6月27日
【母親vs税務署】#4
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「脱税は国民の義務や!」
昨年まで小学校教師だった父は断言した。
「斗司夫、よう聞け。大事な話や」
日教組の組合員で社会主義者の父には、政府の役人や政治家はだれも信じられない。
それは彼ら一人ひとりの人間性の問題ではなく「人が人を管理する」という考え方そのものが間違っているからだ。
しかし、逆に「誰かが国民を管理しなければ、国家が運営できない」のも事実。
国家というのは、この本質的な矛盾の上に成立している。
「ほんだら、どうしたらええの?」
「政治家や役人が悪さをせえへんように、国民が見張るしかない」
父にとって国家や政治は「必要悪」だ。それはヤクザと共存している街、
大阪に住んでいる僕たちにはなぜか得心できる、ふに落ちる考え方だった。
「どうやって見張るの?」
「選挙とデモと、脱税や」
一番目と二番目はわかるけど、三番目は聞いたこともない。
「選挙の投票で政治家を当選させたり落選させたりする。これで政治家にお灸を据えたり応援したりする。
デモは政策、つまり政府のやり口にウソやズルがあったとき、直接乗り込んで担当者をやっつける。
しかしこの二つだけでは政府の悪は止められない」
父の口調は熱くなった。いつの間にか母が父の後ろで正座してうなずいている。
政治には興味ないけど、母が大好きな脱税の話がはじまるからだ。