16/07/22 15:27:04.18 .net
>>871 (続き)
父は自分が見込んだ才能に興味を持ったようだ。今度は三人を監視しはじめた。
アニメ制作が終わって二ヶ月経っても、なぜか三人ともうちに住んでいたので、監視は簡単だった。
「庵野くんは酒ばかり飲んでる。あかん。やめといた方がええ」
父の会社が展示会に出品する時に山賀君に巨大な油絵を発注して「時間がかかるばっかりや。山賀君とは手を切れ」と言ってみたりもした。
ついには母も監視に加わった。
「赤井君はイヤなことがあると毛布かぶって寝てしまう。人間的に弱い子はここぞというときに逃げるから、手を切った方がいい」
ええ加減にしてくれ!と僕が怒ると、今度は僕が留守中に庵野くんを酒に誘い、取り調べを開始した。
「君はどれくらい才能があるんや?」という失礼きわまりない質問から、
「アニメを仕事にして、やっていけるんか?」
「斗司夫は、この世界に向いてると思うか?」
「君は斗司夫の右腕になってくれ」等々、すごい質問のオンパレードだ。
いっそ死んでしまった方がマシ、というくらい恥ずかしかった。なぜそんな誘いについて行ったのか?と詰め寄ると
「タダ酒が飲めるからです」と、庵野君は胸を張って答えた。
その後、赤井君が誘われているというのをきいて、全力で止めたのは言うまでもない。
すっかり長くなってしまった。両親と税務署の戦い、続きはまたの機会に語ろう。次回から新シリーズで!