16/07/02 19:57:28.95 .net
【のーてんき通信: エヴァンゲリオンを創った男たち - Google Books】
“―岡田退社―
ゼネプロを解散して、腑抜けていたかというと実はそんなことはなくて、
ガイナックスと名実ともに完全に一体化した後、ぼくは前向きにいろいろと
動いていた。
一方で、オリジナルアニメ企画「オリンピア」頓挫の後、岡田くんは
一切仕事をせず遊んでいた。
本人はいろいろと今後の企画などを考えて山賀とも話をしていたようだった。
おまけに『別冊宝島』の自分改造の本を読んで東京弁を話し出したり、
女の子を誘ってジュリアナなどのディスコへ行ったりと非常に岡田君らしくない
活動をしていたようだ。
まぁ、僕自身の感想はともかく、なんだか色々と夢のようなことを言いっぱなしで、
それに向かって動くこともなく、全然仕事をしないのは問題だった。
ある日、岡田くんを捕まえて最初に言ったのは「岡田君の給料を下げる。
ここまで仕事をしていない人間にそんなに給料は払われへんやん」。
実際これは澤村君が言い出したのだけれど、伝達はぼくの仕事だった。
最初、岡田君は抵抗したけど、でも最終的には納得した。
ただ、給料を下げるって言ったのはいいけど、そのときのぼくには、
どう考えてもガイナックスに岡田君がいることが、すごくおかしいように
思えてしかたがなかった。だからぼくは、給与を下げるとかではなく
岡田君はガイナックスを去るべきではないかと思った。
なぜなら、岡田君はガイナックスの社長であり、顔なのだ。
その顔が仕事もしないで会社にいたら当然社内、社外ともに不自然だし、
何よりも岡田君に対して妙な遠慮が出てくることが予想できる。
だから、結局ぼくは岡田君に「会社を辞めてくれ」と言った。
けれど岡田君は辞めないと言う。
「辞めてくれ」、「いや辞めへん」、「辞めろ」、「辞めへん」と堂々巡り。
一時期は「じゃあ辞める」といった岡田君が「やっぱり辞めない」
「辞めるならその前に一本ゲームを作らせてくれ」という話になった。
「じゃあ、どうしても岡田君が辞めへんなら、ぼくが辞める」て言った。
ぼくが辞めるかキミが辞めるかどっちかだ」って。