16/06/29 10:19:06.94 .net
>>361 (続き)
そこに庵野思想のテーゼがあります。
「だって、核兵器を使わせるわけには、いかないでしょ?」
そんな大義名分を得られたから、町が壊せるわけです。
怪獣と戦えるわけですね。
こんな変なウルトラマン、僕は見た事がない。
これは失恋が目的の、ダメ元の告白にすごく似ている。
そんなニュアンスでウルトラマンを作ったら、庵野秀明という作家性にピッタリと合う。
だから庵野秀明のSF作品では、クライマックスで大破壊が行われる。
大破壊には「悪いヤツが世界を破壊しようとするから、しょうがない!」みたいな言い訳がある。
だけど何より描きたいのは“破壊”なんです。
「爆発や破壊でしか、この世界との関係性が作れない」というのが、庵野の第一のテーマだった。
庵野の第二のテーマは、「町や世界を破壊する事で、僕は世界と関係が出来る」なんです。
これは庵野哲学の基本なんです。
庵野秀明の二つ目のテーゼ。
「核を使用させないため」という言い訳があるから、僕は町を破壊する事を許される。
“ウルトラマンに変身しなきゃいけない”という言い訳を与えてもらう事で、僕は町を壊す事ができる。
怪獣と戦う事ができる。
“失恋する”というミッションを与えられたから、僕は恋愛する事ができる。
これが、ものすごく不思議な彼の二つ目のテーマです。