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②「東大出てアホちゃうんか」
同窓生が少ない地方では、逆学歴差別を受けることが多い。東大文学部を卒業した吉岡聡氏(33、仮名)は、地元・兵庫県の市役所職員として働き始めた。多くの東大生は国家公務員総合職(旧・国家公務員I種試験)を受け、中央官庁に入る。地方の職員になった吉岡氏はレアケースだが、病気がちの両親の近くにいたいと地元での就職を選んだという。イジメは勤務初日から始まった。吉岡氏が振り返る。
「新人には先輩がついて、指導するものだと思っていました。半年は試用期間とされていましたし。しかし初めて出勤した日、先輩に開口一番、こう告げられました。『東大生なんやから見てたらわかるやろ』と。それっきりです。業務マニュアルすらない。意図的なネグレクトだったと思います」
知らない環境で完全に放置。吉岡氏は、社会人になって1週間で心が折れかかったという。イジメを受けたのには、理由がある。
「先輩たちの学歴です。彼らは関西大学出身で、職場では『高学歴で頭のいい人』として周囲から持ち上げられていました。東大卒のボクは、目障りな存在だったのかもしれません。事あるごとに皮肉や当てこすりを受けました。『自分は東大出で頭がええのかもしれへんけど、うちらはそうやないねん』と」
先輩たちは、吉岡氏が知らないことがあると大喜びした。「東大出てるのにホンマはアホちゃうんか」。吉岡氏は屈辱感を覚えたが、「そうなんです。東大にもボクみたいなアホはいるんです」と言って業務を習得していった。仕事に慣れてくると、今度は「便利使い」されるようになる。
「膨大な仕事を投げられるんです。『東大卒なんやから難しいこともわかるやろ』と。部署全体にフラストレーションがたまり、雰囲気がどんどん悪くなっていきました。原因はボクのようです。面と向かって『自分のせいやで』と言われたこともあります。理不尽ですよね……」
結局、吉岡氏は1年半で退職。辞める直前にはストレスから胃潰瘍になり、激しい腰痛にも悩まされていたという。その後、地方の大学の医学部に入りなおし、6年間の学びを終え現在は研修医として元気に働いている。