21/05/06 19:35:40.01 QuJu4uCl0.net
おまけ:
小平邦彦氏(フィールズ賞受賞数学者)による中学入試算数への批判(by「怠け数学者の記」(岩波現代文庫))
>現在の教育の「急ぐ」傾向は試験の仕方にもよく現れている。
>昔の試験は学内の試験でも入試でも問題の数が少なく、時間が十分あってゆっくり考えることができた。
>・・・・中略・・・・・一例として次ぎに昨年(昭和60年)の開成中学の入試問題を掲げる。
>制限時間は50分で問題は6問ある。中学校の入試問題であるからこれを解くのは小学校の6年生である。
>一番は計算問題であるが、二番から六番までは皆難しい。私はこれを一生懸命にといてみたが50分で完全に解くことは遂にできなかった。
>こういう入試を受けるには小学校で真面目に勉強しているだけでは勿論駄目で、塾に通って試験の練習をしなければならない。
>どういう練習をさせるか塾へ行って見た事はないが多分入試に良く出る問題のパターンを調査して、どういうパターンの問題はどう解けばよいかを教え、
>入試に際しては、まず問題のパターンを見て解けるか解けないかを判断し、解ければぱっととく、解けなければ考えていれば時間がなくなるから、
>考えないでサッと諦めて次の問題に移る、というような受験の技術を教えるのであろう。
>そうでなければ一人前の数学者にも制限時間内に解けない問題が小学生に解けるわけがない。
>子供は頭が柔軟であるからこういうパターンを見て問題を解く受験技術を教え込めば次に掲げたような入試問題を解けるようになるが、
>それは猿に芸を仕込むようなもので、それで自分でものを考える力を養ったことになるか疑問であると思う。
>小学生が小学校で学んだ算数の知識だけに基づいてはじめから自分で考えてこの入試問題を制限時間内に解けるならば大したものであるが、
>そうならばその小学生が大学生になったとき物凄い学力を発揮するはずである。
>大学生の学力が年々低下しているのを所を見ると、小学生は自分で考えて入試問題を解いているのではなく、
>パターンを見て猿真似で解いているのであろう。